【連載小説】 狙われた女  5話

 

 

録画表の中にまた、深夜3時05分、

『未来の約束』というものが、入っていた。

 

「おかしいな、このドラマ以外に、

録画予約はしなかったはずだけど・・」

 

少し変な感じもしたけれど、

まだ、時間も早かったので、見てみることにした。

 

「なんなんですかー。あなたは。

つまらなかったら、そく、削除だかんね。」

 

再生をボタンを押した。

 
モザイクのような映像が映し出された。

 

それから、その映像が反転するように動き、

やがてそれは、女性の顔になった。

 

20代かな?

私よりは、少しだけ年上な感じがした。

かなり、美人だ。

 

映像は、家庭用ビデオカメラの撮影のようだった。

 

屋外での撮影で、これは・・、

どこかの遊園地のように見えた。

 

「あれ?音声は出ないのかな?」

 

そうしていると、その女性が、

手招きするような仕草をみせた。

 

「ああ、カメラ撮ってる人を呼んでるんだー。」

 

その女性は、白いテーブルの上に広げられた

新聞をゆび指さして、ココ、ココって感じで笑った。

 

「なんなんだコレ。」

 

カメラの人が近づいて、そこを映し出した。

 

「あれ?これは、ナンバ○ズ4の当選番号だ。なんなの?」

 

カメラが少し引いて、また、その女性の顔を撮った。

 

「え?また、ゆび指してなにか言ってる。なになに?」

 

ヒ・ヅ・ケ・・、日付かなぁ・・

 

カメラがまた、新聞を映した。

今度は、もっと、アップの映像で。

 

「あ!これは。あさっての日付だ。

なに?どういうこと。」

 

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