木曜日は、朝から大変だった。
30分刻みで配送があり、
目がまわる忙しさだった。
それでも、だんだん家らしくなってきた。
午後にはテレビも届いて
私は疲れが吹き飛ぶぐらい感動していた。
「大きい、スゴイー!」
テレビ台に置くと、
高さは、私の身長と変わらなかった、
そして横幅は、リビングの壁とほぼ同じ大きさだった。
「ダメだ。テレビが恋人だ。もう、これでイイ。」
私は、テレビの電源を入れるのも忘れて、
ただその大きさに満足していた。
そうだ、平良さんに連絡しよう。
ピンポ~ン、ピンポ~ン。
「は~い、平良さん、いらっしゃーい。」
「来たよ、マイさん。
はい、これお祝い。赤ワインだぞー。」
「うれしいー、赤ワイン大好きなんです、
ありがとうございます。まだ、料理はできないんで、
お寿司をとりました。」
「いいよ、いいよ気にしないで。
マンションを見るのも目的だったから。」
「平良さん、これみてー、ジャーン。
80型のテレビ買っちゃいました。」
「うわー、デカイねこれ。
電気屋さんで見るのと全然違うなー。
やっぱり、おうちに設置すると大きいよ。」
「でしょー、これ、私の夢だったんです。
これも、平良さんのおかげです。」
「ん? もしかしてあれは、外付けHDDじゃない?」