
「もしもし、私、上原と申しますが、
黒物家電担当の、さはしさんをお願いします。」
「私が、佐端です。
上原様、いつもお世話になっております。」
「あ、さはしさんですか?
こんにちは。
実は、テレビの配達の日取りを決めたいのですが・・。」
「はい、かしこまりました。
何日をご希望なさいますか?」
「今週の木曜日に引越しますので、
テレビの設置もその日にできないかと思いまして。」
「木曜日ですね。はい。
午後の便が空いてますので
そちらでよろしかったら、お伺いできます。」
「大丈夫です。
午前中でだいたい片づくと思いますので、
午後でしたら問題ありません。」
「はい、それでは、
木曜日の午後3時にお伺いいたします。
よろしいですか?」
「はい。お願いします。」
慌ただしい一週間だった。
お仕事は、有給休暇をもらっていたが、
アパートの解約、マンションの契約、
引越しの手配、
新しい家具や家電品の配達の手配など、
女手ひとつでは、大変だった。
「とりあえずこんなものかな。」