【連載小説】 狙われた女  33話

 

 

「もしもし、私、上原と申しますが、

黒物家電担当の、さはしさんをお願いします。」

 

 

「私が、佐端です。

上原様、いつもお世話になっております。」

 

 

「あ、さはしさんですか?

こんにちは。

実は、テレビの配達の日取りを決めたいのですが・・。」

 

 

「はい、かしこまりました。

何日をご希望なさいますか?」

 

 

「今週の木曜日に引越しますので、

テレビの設置もその日にできないかと思いまして。」

 

 

「木曜日ですね。はい。

午後の便が空いてますので

そちらでよろしかったら、お伺いできます。」

 

 

「大丈夫です。

午前中でだいたい片づくと思いますので、

午後でしたら問題ありません。」

 

 

「はい、それでは、

木曜日の午後3時にお伺いいたします。

よろしいですか?」

 

 

「はい。お願いします。」

 

 

 

慌ただしい一週間だった。

 

 

お仕事は、有給休暇をもらっていたが、

アパートの解約、マンションの契約、

引越しの手配、

新しい家具や家電品の配達の手配など、

女手ひとつでは、大変だった。

 

 

「とりあえずこんなものかな。」

 

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