翌朝、や○だ電器で。
「あの~、店員さん、私のこと、覚えてます?」
「えっ。あ、いらっしゃいませ。
・・ゴメンなさい。
毎日大勢のお客様をお相手してますので、
えーと、だめです、やっぱりゴメンなさい。」
「まあ、それはいいんですけど、
実は私、三ヶ月前に
42型のテレビを購入した者なんですが・・・」
「ああ、そうでしたか。それは、失礼いたしました。
それで今日は・・・、何かありましたか?」
「ええ、そうなんです。
あの時テレビにつけてくれた
外付けハードディスクが壊れたみたいなんです。」
「ああ、そうでしたか。それは大変申し訳ありません。
本来なら、すぐに、新しいものとお取替えするところなんですが、
実は、今年の大雨で、タイが洪水になりましたよね。
それで、タイの工場がストップしてしまいまして、
ハードディスク関係がいっきに品薄になってしまって、
現在、在庫もなく、入荷待ちの状態なんですよー。」
「今どのくらいかかりそうなんですか?」
「なんとか、オリンピックに間に合わせようと
フル稼働で生産してますが、あと、一ヶ月は、かかりそうです。」
「えー、そんなにー。
あの、私は、オリンピックじゃなくて、
来週最終回のドラマが録画できればいいんですけど。」
「お客様、今、日本中で品切れ状態でして、
申し訳ありませんが、これは、無理ですよ。
ごめんなさいね。」
「なんとかなりませんか?来週だけでいいんですー。」
「うーん、そうですねー。
あ!来週だけでよかったら、
あの、中古なんですけど、一台お出しできますよ。」
「やったー!それそれ。使わせて下さいー。」
「わかりました、それでは、
新品が入荷するまでということで、
こちらをお使いください。
一応、ディスクのチェックはすんでますので
問題はないと思います。」
「ありがとう。助かります。」
「いえ、こちらこそ、すいませんでした。
商品が入荷しましたら、新しい物とお取替えします。
それまで、こちらをお使い下さい。」
こうして、なんとか来週の最終回には、間に合った。
「やったー。よかったー。これで、OKね。」
今日来てよかったな。ギリギリセーフって感じ。
これで、ゆっくり、最終回が見れるってこっちゃ。ヒヒ。