「もしお時間がありましたら、
私のうちへ来ませんか?
そこで、お話をお伺いいたします。」
「はい。大丈夫です。今日は仕事休みました。
今からでも大丈夫です。」
そうして、私は、彼女のうちへ連れて行かれた。
「さあ、それでは、なにがあったのかお話下さい。」
わたしは、いままでのこと、
宝くじのこと、全部彼女に打ち明けた。
「なるほど、これはまた、新しい手口を考えたものだ。」
「新しい手口ですか?」
「ええ、彼らは昔からいる低級霊なんですが、
成仏することをしないで、今世に留まったまま、
生きている人の生気を取って存在しているんです。
今回のやり方は新しいですが、基本的に生きている人の
生気が目的です。」
「生気ですか?」
「はい、いってみれば、
あなたの寿命をいただいているって感じですかね。」
「えー、私の寿命ですか?それは、どういうやり方で?」
「人間の世界の振込め詐欺みたいなもんですよ。
手を変えシナを変えって、しつこいですよー。
しかし、宝くじに当選させるというのは、初めてですね。」
「あのー、分からないんですが、どうやって、私の寿命を・・」
「あー、簡単ですよ。
宝くじが当たってドキドキしたり、
眠れなかったり、その時が彼らのチャンスなんです。」
「えー。宝くじの当選が、ワナなんですか?」
「そういうことです。
今日のあなたのお顔では、
かなり吸い取られていると思います。」
「あの、もう一度番号をもらってるんですが・・」
「何番ですか?」
「3・1・5・2です。」
「ハハハ、ふざけてる。
3152、サ・イ・ゴ・ニですよ。」
「エエエーー、今度で生気を全部取られちゃうんですか?」
「そのつもりでしょうね。」