【連載小説】 狙われた女  22話

 

 

「もしお時間がありましたら、

私のうちへ来ませんか?

そこで、お話をお伺いいたします。」

 

「はい。大丈夫です。今日は仕事休みました。

今からでも大丈夫です。」

 

そうして、私は、彼女のうちへ連れて行かれた。

 

「さあ、それでは、なにがあったのかお話下さい。」

 

わたしは、いままでのこと、

宝くじのこと、全部彼女に打ち明けた。

 

「なるほど、これはまた、新しい手口を考えたものだ。」

 

「新しい手口ですか?」

 

「ええ、彼らは昔からいる低級霊なんですが、

成仏することをしないで、今世に留まったまま、

生きている人の生気を取って存在しているんです。

今回のやり方は新しいですが、基本的に生きている人の

生気が目的です。」

 

「生気ですか?」

 

「はい、いってみれば、

あなたの寿命をいただいているって感じですかね。」

 

「えー、私の寿命ですか?それは、どういうやり方で?」

 

「人間の世界の振込め詐欺みたいなもんですよ。

手を変えシナを変えって、しつこいですよー。

しかし、宝くじに当選させるというのは、初めてですね。」

 

「あのー、分からないんですが、どうやって、私の寿命を・・」

 

「あー、簡単ですよ。

宝くじが当たってドキドキしたり、

眠れなかったり、その時が彼らのチャンスなんです。」

 

「えー。宝くじの当選が、ワナなんですか?」

 

「そういうことです。

今日のあなたのお顔では、

かなり吸い取られていると思います。」

 

「あの、もう一度番号をもらってるんですが・・」

 

「何番ですか?」

 

「3・1・5・2です。」

 

「ハハハ、ふざけてる。

3152、サ・イ・ゴ・ニですよ。

 

「エエエーー、今度で生気を全部取られちゃうんですか?」

 

「そのつもりでしょうね。」

 

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