【連載小説】 狙われた女  21話

 

 

眠れるわけがない。

赤ワインなんか、ジュースだ。

 

結局、一睡もしないで仕事にいった。

 

「わー、酒くさい、

しかも、なんだその化け物みたいな顔は?」

 

職場でそういわれるのも当然だ。

私は、化け物であり、バカ者だ。

 

「これじゃ、仕事にならないからあんた帰って休みなさい。」

 

「はい。スイマセン。」

 

 

職場の上司にお休みをもらって、私は帰ることにした。

幸い土曜日だったので、まだよかった。

 

 

 
病院から出て帰る途中で、

私は、若い女性に呼び止められた。

 

 

「こんにちは。あのー、失礼ですが、

あなた最近、なにか変わったことが起きませんでしたか?」

 

 

その女性は25、6歳ぐらいのキレイな人だった。

 

 

「あのー、あなたは・・・」

 

「はい、失礼しました。平良と申します。」 (ウン?)

 

「私は、いわゆるユタです。」(ん~)

 

「あー、そうなんですか。でもどうして、私に?」

 

「怒らないで聞いてください。

あなたは、この世のモノではない何かに

取り付かれているように見えます。」

 

「えー、私がですか?」

 

「はい。分かりやすくいうと悪霊の部類です。」

 

「あ、悪霊ですか?」

 

「はい、最近なにか変なことが

あなたの身の回りで起きていませんか?」

 

「起きてます、起きてます。助けてくださいー。」

 

私は、その女性にすがり付いていた。

 

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