
眠れるわけがない。
赤ワインなんか、ジュースだ。
結局、一睡もしないで仕事にいった。
「わー、酒くさい、
しかも、なんだその化け物みたいな顔は?」
職場でそういわれるのも当然だ。
私は、化け物であり、バカ者だ。
「これじゃ、仕事にならないからあんた帰って休みなさい。」
「はい。スイマセン。」
職場の上司にお休みをもらって、私は帰ることにした。
幸い土曜日だったので、まだよかった。
病院から出て帰る途中で、
私は、若い女性に呼び止められた。
「こんにちは。あのー、失礼ですが、
あなた最近、なにか変わったことが起きませんでしたか?」
その女性は25、6歳ぐらいのキレイな人だった。
「あのー、あなたは・・・」
「はい、失礼しました。平良と申します。」 (ウン?)
「私は、いわゆるユタです。」(ん~)
「あー、そうなんですか。でもどうして、私に?」
「怒らないで聞いてください。
あなたは、この世のモノではない何かに
取り付かれているように見えます。」
「えー、私がですか?」
「はい。分かりやすくいうと悪霊の部類です。」
「あ、悪霊ですか?」
「はい、最近なにか変なことが
あなたの身の回りで起きていませんか?」
「起きてます、起きてます。助けてくださいー。」
私は、その女性にすがり付いていた。