【連載小説】 狙われた女  16話

 

 

「あ!写った。」

 

 
映像は、前と同じ遊園地のようだった。

 

今回は、あの、美女はいない。

突然映像が動いた。

 

男の人が、カメラを自分のほうに向けたようだ。

何度か映像はブレたけど固定された。

 

イイ男ー。

かなりのイケ面だ。

その人は、笑顔で何か言った。

 

 

オ・メ・デ・ト、あー、おめでとうだ。

 

 

「ありがとう」

 

 

思わず、そう言ってた。

 

音声は、やはり入っていないようだ。

 

あれ? 

いいよ、いいよ、どういたしましてって感じる。

なんで?

 

 

「私の声が、聞こえるんですか?」

 

 

テレビに話しかけるように、私はそうつぶやいた。

 

うん?うんだ。

 

聞こえるんだ。

なんで、なんで?

 

 

「あなたの心に語りかけている。」

 

 

あー、やっぱり。

分かる。心で感じる。

 

 

「それよりも、時間がないから、メモして。いい?」

 

 

私は、あわててその辺にあった袋にメモの用意をした。

 

 

「今度の番号は、1219だよ。」

 

 

1219、分かりました。1219ですね。

 

 

「うん、それを買って。」

 

 

分かりました、でもどうして、私に・・

 

 

「もうすぐ、わかるよ。じゃ。」

 

 

その瞬間、映像は消えた。

 

 

うそー、まただ。また、番号がきた。

ホントなのー。

 

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