ピンポ~ン、ピンポ~ン。
「卓球便でーす。ちょっと、アレンジするかな。
愛ちゃんでーす。」
「コラコラ、朝から、何やってんの。」
「おはよー。朝定食ください。」
「まったく、定食屋じゃないッつの。」
「ハハ、朝から、悪いんだけど涼介さん、
ちょっとお願いがあって。」
「おはよー。どうしたの?」
「涼介さんの会社で、
ちょっとしたアプリを作って欲しいんだ。」
「それはいいけど、どんなモノ?」
「あのね、スマホの無料アプリなんだけど、
お守り的なモノで、般若心経をいれて欲しいんだ。」
「へー、変わってるね。
それなら、スマホだけじゃなく、
普通の携帯電話に対応するやつもできるよ。」
「お、イイね。
このアプリを携帯に入れてると、
悪霊よけになるって感じで宣伝したいんだよね。」
「その程度のものなら、
開発費ってほどのお金はかからないし、
すぐできるよ。」
「今、みんな、携帯電話か、スマホもってるでしょ。
それで、私の商売柄、
お守りってことで皆に持って欲しいんだ。」
「へー、スゴイね。でも無料で出しちゃうの?」
「うん、そのほうが、広がると思うし。」
「それじゃ、できるだけ制作費を安くするために、
うちの新人にやらせてもいいかな。
もちろん、僕が最終チェックするから。」
「うん、それでいいよ。」
「それじゃ、細かいことは、
彼と打ち合わせしてね。
“志保出くん”っていうんだ。」
「ん?シ・ホ・デくん?」(アレ?)