何か、まぶしい光に目がくらんだ。
「ご臨終です。」
「おやじィー。」
「お父さんー。」
「おじいちゃーん!」
子供たちや、孫の声が聞こえた。
「15時05分です・・・。」
医者の事務的な言葉が続いた。
そうか、俺は死んだんだ。
・・・案外なんでもないな。
本当だ、映画でみたシーンと同じだ。
自分のなきがらが、見える。
もうすこし、苦しいと思ったんだが・・・。
痛み止めの注射で、感覚がなかったからかな。
ふーん、そうなんだ、本当に、皆には、見えないんだ。
それにしても、肉体があそこにあるということは、
この俺は、この意識は、いったいなんなんだろう?
霊魂てこと?
「そういうことです。」
その声に驚いて振り返った。