【連載小説】  第5霊人  66話

 

 

春が終われば、夏が来る、もうすぐ、秋だな。

今世に生まれ変わって、六ヶ月が経った。

 

肉体的には、おすわりができるようになった。

記憶はまだある。なんか、今回は、長い気がする。

こんなに、記憶って残ってたかなぁ。

 

それには、ひとつ理由があった。

 

「ピンポーン、ピンポーン。」

 

理由がこれだ。

 

「おばんでーす。陽子ママでちゅよー。」

 

ギーモさんが、退院以来、毎日遊びにくるのだ。

 

「陽子さん、また来たのー。」

 

「来るサー。もう、母親も同然サ。」

 

「母親って、オッパイも出ないくせに。」

(なんかコワイ)

 

「そのかわりに、お話相手はできる。サ。

あんたは、今のうちに、お買い物しておいで。」

 

「それは、助かるのよねー。それじゃ、いってきますか。」

 

「そうそう、シッシッ。いってらっしゃいー。」

 

「それでは、いってきますね。よろしくお願いしますー。」

 

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