
今日は、退院の日だ。
いよいよ、親子としての人生が始まる。
しかし、中身は女房とわかってても、
まったく、別人のお嬢さんだもんなぁ。
どうするかな。赤ちゃんらしくできるかな。
あ! 急におしっこしたくなった。
わ!我慢できないー。
ジョー。
やってしまった。
ゲッ、気持ち悪いー。とりあえず、泣こうっと。
「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー。」
「あれー、シンちゃん、おむつかなー?
やっぱりそうだ。おちっこでちたねー。
お着替えしましょうねー。」
案外こっちで考えなくても、体にまかせればいいみたいだな。
それにしても、いつまで、この記憶は残るんだろう。
彼女のためにも、早く消えてくれないかな。