【連載小説】  第5霊人  58話

 

 

そうか、親子なんだ。

この女性は、どんな、顔なんだろう。

 

「見てみて、私の顔、一生懸命に見てるー。かわいいー。」

 

あー、そう取るか。

 

「やっぱり、母親の顔を最初に覚えるのよー。」

 

ってか、まだ、見えてないし。

 

「はい、パパでちゅよー。」

 

そうか、おやじもいるんだった。

こいつは、誰なんだろ。

 

やっぱ、前の記憶は、

早く消えないとややっこしいな。

 

おやじより、精神的に大人なガキなんて、

かなり、やりずらいし。

 

それと、赤ちゃん演じるのも、めんどくさいなー。

とりあえず、泣いとくか。

 

「オギャー、オギャー」

 

「あれー、お腹ちゅきましたかー。

ユイちゃんオッパイじゃないかな。」

 

「チョット待ってねー。ママも食べてましゅからねー。」

(あいかわらずだね)

 

お!オッパイはいいなー。

なんかほっとする。

あー、また眠くなってきた。

 

「かわいいー!オッパイ飲みながら寝ちゃった。」

 

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