
生まれ変わると、しばらくは、向こうの記憶が残っている。
まだ精神と肉体がうまく繋がっていない感じだ。
肉体的に未熟なので、疲れてすぐに寝てしまう。
生きているのか、まだ、霊人界にいるのか、
どっちかというと、夢の中にいるみたいだ。
「あなたー。あなたー。私がわかりますか?」
お?女房の声だ。
これは、どこから聞こえるんだ?
「聞こえるよー。おまえ今、どこにいるんだー?」
「私は、ここです、すぐそばです。」
「えー? わからないよ。いったい、どこに、いるんだ?」
「今、あなたを抱いています。」
「どういうこと?」
「あなたを産んだ女性が、今の、私です。」
「なんだって、それじゃ、
私は、お前の子供として生まれ変わったのか?」